第21回IVR看護研究会終了のご挨拶

第21回IVR看護研究会終了のご挨拶

去る10月16日(土)両国KFCホールにて開催いたしました第21回IVR看護研究会が無事終了いたしました。

本来なら3月に開催する予定でおりました研究会をコロナウイルスの影響で延期させていただきました。その間、医療関係者の皆様は猛威をふるいいっこうに収束の兆しのないコロナウイルスとの闘いを強いられ、さぞかしご苦労なさったことと思います。

新規感染者がなかなか減らず「緊急事態宣言」が継続される中10月開催を決定し、初めて「ハイブリッド開催」をいう形をとらせていただきました。

コロナ禍でほとんどの学会や勉強会がWebで開催されるようになり、遠方からや都合で会場に直接来られない方も参加できるようになりました。コロナが収束した後も「ハイブリッド開催」が主流になっていくかもしれません。

第21回は「Next step to the future〜IVR看護師の次なる役割〜」と題して開催されました。

教育講演を行ってくださいました森田先生には遠方からお運びいただき、感謝申し上げます。森田先生からは、IVR看護師との出会い、チーム医療の中で看護師にしかできないことを実践するために、専門性を高めること。そのためにどのようにご尽力いただいたのか。「これからのIVR看護師」に求めることは“新たな知識を吸収”し“その知識を共有するために発信”すること、自分だけでなくチーム全体の質を高めることが必要であることをお話いただき「自分が変われば未来が変わる」とエールを送っていただきました。

ランチョンセミナーは「カテランガイド2021」と題して、自分の施設を客観的に評価してもらいました。「自分はカテランガイドの調査員です。あなたの施設をカレー店にみたてて評価しましょう」と、ちょっとした遊び心のあるセミナーを開催してみました。「カテランガイド2021」をご自分の施設のいいところ、悪いところを見直し、もう一歩先にするためのツールとして持ち帰り、是非活用してみてほしいと思います。

口演ではIVR時に患者さんに起こる現象を「ポリヴェーガル理論」で読み解いてくださいました。

Cocodakeno Seminar、「ここセミ」は、IVR看護研究会でしか聞けないセミナーとして開催。第一回セミナーは「下肢静脈瘤について」金城先生を会場にお招きし、下肢静脈瘤の病態生理、治療と合併症について講演いただきました。その後下肢静脈瘤治療の際の看護と予防体操、下肢静脈瘤外来開設の際に「人脈」を活用したことや「交渉テクニック」についてお話させていただきました。

最後のワークショップ。今まではグループワークで行っていたワークショップは、コロナ禍でグループワークはかないませんでしたが、すこーしずつ茹でられると熱湯になったことに気づかずに死んでしまう“かえる”のように、環境の変化や患者さんの求めていることに気づかない看護師になっていませんか・・・?「ゆでガエルになるな・・・」というテーマのもと、動画をみながら考えました。さらに一歩進んだ看護のために何をすればいいのか、どう行動するのかを考えるきっかけとヒントなれば幸いです。

おわりに、会場にお運びいただいた皆様、Web参加していただいた皆様、広告協賛して頂いた企業の皆様に厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

 

これからも、皆様とともにIVR看護のエキスパートとして何をすればいいのか?何かできるのか?根拠に基づいた看護を考えていきたいと思います。今後ともIVR看護研究会をよろしくお願いいたします。

第21回IVR看護研究会当番世話人

日本医科大学武蔵小杉病院 増島ゆかり

           

                                                                       

プログラム概要

 

【第1部】

教育講演:「これからのIVR看護師に求められるもの」 

演者:高知医療センター 森田 荘二郎先生

【ランチョンセミナー】

「カテランガイド2021」

 【第2部】

演題発表

 1.「実戦!「ポリヴェーガル理論」ーIVRでの現象を読み解くー」 

東京医科歯科大学病院  小川 八重子

 

ここセミ-Cocodakeno Seminar-

 1.「下肢静脈瘤に対するIVR」  厚生中央病院 診療放射線科医長 金城 忠志先生

2.「下肢レーザー治療と看護」       日本医科大学武蔵小杉病院 増島ゆかり

3.「下肢静脈瘤外来開設にあたって」    厚生中央病院 野口 純子

【第3部】

「カテランガイドその後」

【第4部】

 ワークショップ:「ぬるま湯からの脱出~ユデガエルになるな~」

第20回IVR看護研究会終了ご挨拶

第20回IVR看護研究会にご参加いただいた皆様!ありがとうございました。また、ご参加できなかった皆様!申し訳ございませんでした。

 

皆様ご承知の通り、日本は…いえ世界中の人は新型コロナウイルスの影響で、様々な規制を受けて生活をしなければならない状況になってしまいました。第20回IVR看護研究会も2020年3月に20周年anniversaryとして、全国のIVR看護師の皆様と過去から引き続き取り組んでいることを語り、そして未来について熱く語る会となる予定でした。

しかし、9月への開催時期の変更に加え、大幅な人数制限を余儀なくされる状況での開催になってしまい、腑に落ちない、なんともやるせない気持ちのまま、研究会メンバーは準備を進めて参りました。

 そのような中、皆様からの温かい励ましのメールは、励みとなり、開催までのエネルギーとなりました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

また、人数制限のため、参加をお断りした皆様、心からお詫びいたします。

 

 さて研究会本会では、「対話を通してつながろう」をメインテーマとしました。プログラムと当日の状況を少し紹介したいと思います。

 

今回は、東京都の感染拡大防止ガイドラインに従い、体温測定、環境整備の実施、手指消毒薬も多数準備し、ソーシャルディスタンスを保てる運営を試みました。コロナ禍になり初めて研究会に参加する企業の方からは、「勉強会開催などの参考になります」などの声をかけていただき、来ていただいた方が安心する対策をきちんとできていたのではないかと思います。

メイン会場外では、昨年メディカ出版から発売された「メディカ」

の執筆者からのメッセージボードがみれるメディカテ展。そして、企業展示を回ってためる、「IVR看護師に必要な能力」スタンプラリーと、会場に入る前にから楽しめる企画を開催いたしました。

本会ですが、午前中は、特別企画「IVR看護2020 つながろう ラダー聖火リレー」で、IVR看護の現場でラダーの取り組みをされている5施設から発表をしていただきました。

新型コロナウイルスの影響で発表者の多くが東京に来ることが出来ず、1人は誌上発表、3人が動画での発表プラスリモートでの質疑応答。1人の方が会場に来ていただけたので会場での発表となりました。

ランチョンセミナー「緩和IVRのほんとうのところ」では、がん研究会有明病院 放射線科の松枝先生を講師にお迎えし、緩和IVRの基礎的なことから事例までわかりやすく解説していただきました。

一般演題発表では、誌面発表1人を含め5人の方から日頃の取り組みを発表していただきました。

コーヒーブレイクセミナー「カテ室で予防したいMDRPU」では、現在医療で問題となっている MDRPU(医療関連機器圧迫損傷)についての基礎知識とカテ室で看護をする中で、ちょっとした事で皮膚剥離の予防が出来るコツなどを、麻生総合病院 WOCの玉城先生から教えていただきました

ワークショップ「IVR看護2020 対話を通じてはじめよう」では、

日頃ありそうな場面を動画でみながら、自分だったらどうするかを個人ワークで考え、参加した皆様と意見交換をいたしました。今回は産業能率大学の齊藤先生にお越しいただき、齊藤先生からまず対話についての基礎的な講義をうけてから動画の視聴、個人ワーク、意見交換、そしてワークショップの進行の端々で追加講義をしていただく形で進めてまいりました。

ワークショップを進める中で、対話とは、お互いの考えの背景にある価値観や意味づけを知ることで、お互いが理解し、信頼関係の醸成につながることを学びました。今回、当初予定していたグループワークがソーシャルディスタンス確保の観点からできず、個人ワークとなりましたが、齊藤先生からの問いに対し、自分自身でじっくり振り返るいい機会

となったのではないかと思います。

 

 最後になりますが、参加していただいた皆様、ご協力頂きましたバイエル薬品株式会社の皆様、展示・広告協賛して頂いた企業の皆様に厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

 

これからも、皆様のそばに・・・そして、これからも皆様がそばにいてくれるIVR看護研究会をめざします!

 

第20回IVR看護研究会当番世話人

厚生中央病院 野口純子

 

第20回IVR看護研究会開催要項

日時:2020年9月12日(土)10:00-16:30

場所:KFCホール

 

*プログラムの変更はありませんが、発表方法に若干の変更がありますことをご了承下さい。

テーマ:IVR看護2020 ~対話を通じてつながろう~

プログラム:

特別企画『IVR看護2020 つながろう  ラダー聖火リレー』

  演者:佐藤 恵美(手稲渓人会病院)<抄録のみ>

     大和田 一美(独立行政法人 栃木県立がんセンター)<スライド上映>

     手島 真理子(JCHO 星ヶ丘医療センター)

     祇園 由美(岡山大学病院)<スライド上映>

     伊波 稔(南部医療センター・こども医療センター)<スライド上映>

ランチョンセミナー『緩和IVRほんとのところ』 

          がん研有明病院 松枝 清 先生

 

演題発表  

 1.「止血バンドによるMDRPU予防に対する取り組み−アンギオ室と病棟の連携による効果−」

          高知医療センター救命救急センター 今中 与主安  <スライド上映>

 2. 「循環器IVR時の水晶体被ばく線量の計測結果」

          日本医科大学武蔵小杉病院 増島 ゆかり

 3. 「血栓回収療法開始までの時間短縮に向けての取り組み」

    社会医療法人清恵会 清恵会病院 間口 幸司 <抄録掲載のみ>

 4.「IVRクリニカルラダーに沿った指導者の育成」

    沖縄県立中部病院 仲尾次 翔太 <スライド上映>

 5.「 IVR看護師に求められる看護実践能力」

    医療法人財団荻窪病院 高田 沙織

 

コーヒーブレイクセミナー 「カテ室で予防したいMDRPU」

             麻生総合病院 看護師(WOC) 玉城 洋子先生

 

特別講演 『対話について』

             産業能率大学 齊藤 弘通 准教授

 

ワークショップ『IVR看護2020 対話を通じてはじめよう』

第19回IVR看護研究会終了ご挨拶

                第19回IVR看護研究会終了のご挨拶

 

 この度は第19回IVR看護研究会および前日セミナーにご参加頂きありがとうございました。

全国より多くの皆様方にご参加頂き、盛会に会を終えることができました。本当にありがとうございました。

 

 さて、今回の前日セミナーは「血栓回収術 するの〜?しないの〜?どっちなの〜?」をテーマに、お二人の先生にお話を頂きました。始めに、安藤俊一先生(厚生中央病院 ER看護師)より『NIHSSの評価ができる看護師になろう!』についてお話し頂きました。セミナーの中では、安藤先生より提示された症例をNIHSSを使用し評価するトレーニングを行いました。シミュレーションを通して自ら経験する事、継続した学習を行う事で定着率が上がる学びのゴールデンゾーンについてご紹介頂き、学習方法や学び方についての根拠も知ることが出来ました。次に、檮木治先生(人見クリニック副院長 脳神経外科)より『脳神経外科の脳卒中救急』についてお話し頂きました。脳の概念から脳卒中について、解剖から神経学的所見まで幅広くご講義して頂きました。脳卒中の危険因子除去を行うことでリスクを軽減できること、予防医学も大切な治療の1つであることも学びとなりました。

 

 研究会本会では、「倫理で紐解くIVR看護」をメインテーマとし、IVRでの倫理について考える機会とさせて頂きました。教育講演では、中島千春先生(聖路加国際病院)より「倫理の基本的な考え方と臨床への応用〜臨床で感じるジレンマを解決する糸口〜」をテーマにご講演頂きました。倫理と聞くと難しいイメージがありますが、基本的な内容から事例を使用し倫理的視点に合わせた考え方など、多くのことを学びとなりました。特に意思決定能力や、患者の立場に立っての「善」であることを考えるには、対話のプロセスが大事であること、つまり私たちのコミュニケーションのスキルや相手に共感できる態度などが改めて大切であることを学ぶことが出来ました。そして、ワークショップでは「IVR看護の羅針盤」をテーマに、IVRで経験しそうな場面3つの動画を使用し、臨床倫理の4分割表・ナラティブ検討シート・プロコン表と事例に合わせてそれぞれ違うツールを使用し会場の皆様と一緒に考える機会としました。いろいろな人の意見を聞くことで、自分とは違った視点での考え方を聞くことができ視野を広げることができました。

 また、たくさんの演題発表や、もはやシリーズ化?!になりそうな「教えて!そうぢろう先生」でお馴染みの森田荘二郎先生より「知って得する診療報酬」、コーヒーブレイクでの造影剤副作用のシミュレーション動画を使用したミニレクチャーなど盛りだくさんの内容で、倫理の他に現場に帰ってすぐに使える技や工夫について学ぶことができました。

 

次回、IVR看護研究会は20周年を迎えます。

今回は、今までのIVR看護研究会の活動を知ってもらえるよう会場内でIVR看護研究会展を開催しました。今回の学びも合わせ、次回もIVR看護を盛り上げ、IVRを受ける患者さんに四つ葉のクローバーを届けられるよう、この研究会よりIVR看護について発信していきたいと思います。

 

 この度は、参加していただいた皆様、ご協力頂きました富士製薬工業の皆様、展示・広告協賛して頂いた企業の皆様に厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

 

           これからも、皆様のそばに・・・IVR看護研究会

 

第19回IVR看護研究会当番世話人

国立がん研究センター中央病院

浅井望美

 

第19回IVR看護研究会前日セミナー

テーマ:血栓回収術するの〜?しないの〜?どっちなの〜?

講師:『NIHSSの評価ができる看護師になろう!院内トレーニングの取り組み』

   厚生中央病院 ER看護師 安藤 俊一先生

   『急性期脳梗塞診断までの神経学的所見の見方と画像診断』

   人見クリニック副院長 脳神経外科 檮木 治先生

 

第19回IVR看護研究会

テーマ:倫理で紐解くIVR看護

概要:教育講演

    「倫理の基本的な考え方と臨床への適応〜臨床で感じるジレンマを解決する糸口〜」

     演者:中島 千春先生(聖路加国際病院 4階西病棟・循環器内科・心臓血管外科外来)

   

ランチョンセミナー

    「教えて!そうぢろう先生〜知って得する診療報酬〜」

     演者:森田 荘二郎(高知医療センター 副院長)

   

演題発表

1.「血管系IVR検査・治療中の環境に関する患者の印象」

旭川医科大学看護学講座   山口 希美 

2.「局所麻酔下で初めて心臓カテーテル検査・治療を受けた思春期の患児の思い」

新潟大学医歯学総合病院  岡田 睦美   

3.「心臓カテーテル検査における検査前介入の取り組み」

東京大学医学部附属病院   山田 絵里  

4.「超選択的動注化学療法を受けた患者とのIVR室での継続的な関わりを振り返る

〜トラベルビーの人間対人間の関係確立までの位相を用いて〜」

大阪国際がんセンター  岸本 千幸  

5.「多職種で取り組む子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術への疼痛コントロール」

                    旭川医科大学病院 光学医療診療部放射線部  鈴木 智美    

6.「病棟看護師とのチーム看護 〜継続看護充実化への取り組み〜」

独立行政法人国立病院機構 北海道医療センター  平川 歩未   

7.「血管撮影室の電子カルテ導入の取り組み 〜術前・術中までの一貫した記録」

市立長浜病院 山田 和幸  

8.「アンジオトレーニングの見直しと今後の課題〜実践的な教育と統一した評価を目指して〜」

社会医療法人 北海道循環器病院   前野 麻紀子  

 

コーヒーブレイクミニレクチャー

「造影剤副作用出現!あなたならどうする?」  

   

ワークショップ

     テーマ:「IVR看護の羅針盤〜あなたなら、どうする?〜」

 

共催:IVR看護研究会・富士製薬工業株式会社

      

賛助企業(機器展示・広告掲載)

 

株式会社 VIPグローバル

株式会社 カネカメディックス

住友ベークライト株式会社

株式会社 東洋羽毛首都圏販売

東レ・メディカル株式会社

株式会社 マエダ

株式会社 ミハマメディカル

株式会社 メディコン

株式会社 八神製作所

(五十音順)

第18回IVR看護研究会終了の御挨拶

この度は、第18回IVR看護研究会および前日セミナーにご参加いただき誠にありがとうございました。

 

前日セミナー「TAVI」では大動脈弁狭窄症が、高齢などの理由で手術をあきらめていた方に対しても治療ができる新たな選択肢と、それぞれの専門分野の知識や経験により術後管理まで全てのプロセスを「ハートチーム」で行い生存期間の延長だけでなく患者さんの生活の質の向上を可能にする「DREAM」など、盛り沢山ご講演をしていただきました講師の三浦先生、須合先生、高橋先生に改めて心より感謝を申し上げます。

 

本会の研究会でございますが、「経験から学ぶIVR看護〜未来に残すIVR看護の『知』」というテーマで開催をさせていただきました。ご講演をいただきました古島先生のご講義が、我がIVR看護の今後を考えていく上での必要な臨床経験の獲得、また科学的な知識では説明しきれない看護師が臨床で用いている『知』を獲得するために、古島先生の250日にわたる観察の日々が看護の実践に今後にいかに重要なそしてまた関心の高いものであるかということを改めて実感をさせていただいた次第です。皆様におかれましては、これら臨床の『知』を未来に活かすべく医療現場の「糧」とし、今後のIVR看護でご活躍いただければと思います。

また、多くの発表者の方々より、日頃から努力されている活動や研究を賜り、深く感謝いたします。参加された方々も、より一層意識が高まり、理解を深めることができたのではないかと感じております。

 

今後は、このIVR看護での貴重な経験を大いに活かし、これからのIVR看護の発展のため皆様とともにこの研究会から発信していければと思います。また、この研究会に参加していた頂いた皆様には厚く感謝の気持ちを申し上げ、書中をもちまして御礼に代えさせていただきます。ありがとうございました。

                             第18回IVR看護研究会当番世話人 

                                 三井記念病院 本間美智子

第17回IVR看護研究会終了のご挨拶

この度、第17回IVR看護研究会を開催し、前日セミナー参加者約120名、本会参加者約220名の方々にご参集いただき、無事に終了したことをご報告させていただきます。

今年は晴天にも恵まれ、無事に終えられたことも、ご講演くださいました先生方、ご参加いただいた皆様のおがげと、厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。

 

前日セミナーでは、「脳血管血栓回収療法」をテーマに、庄島正明先生からは「歴史とロジックで理解する経皮的血栓除去術」というとても興味深い雑学から各論までお話いただきました。庄島先生が看護師に求めることは「プロであること」というお言葉、とても心に突き刺さりました。

「プロフェッショナル」とは、「考え続け、実践し続けていく人」であると陣田泰子先生がおっしゃっていたことを思い出しました。私は、プロとは相手のニーズを理解し、本当に必要なことは何かということを常に考え続ける人であると思います。そのことを忘れず、日々努力を重ねていきたいと感じています。

そして看護サイドでは、吉中麻美子先生に管理者の立場からスタッフの気持ちを大切にして日々マネジメントをしていることや、後藤恵美子先生からスタッフの立場としてチーム連携に必要なこと、スタッフと先生方との関わりをどの様に持っていくかなどを学ぶことができました。

 

そして、本会では、「IVR NurseのCareer Development」というテーマのもと、教育講演では、日本看護協会のラダー作成に携われた宇都宮明美先生に「IVRにおけるキャリアラダー」についてご講演いただき、キャリアの捉え方、ラダーについてわかりやすく解説していただきました。

キャリアとは何か?そして自分の歩んできたキャリアはどのようなものだったのか?ということを振り返る良い機会となったでしょうか?

 

第2部ではみなさまの日々努力されていることや研究の成果を発表していただきました。

興味のあるものばかりで、とても盛り上がりました。

今回の成果が実践に活かされ、IVR看護の発展に繋がることを願ってやみません。

 

第3部では、「IVRナース道の守破離」と題しまして、ワークショップを開催いたしました。IVRナースのキャリアラダーをわかりやすくみなさまと共有し、自分の歩んできた道、そしてこれから目指すべきビジョンを考えるきっかけとなりましたら幸いです。

また、ワークショップの中で「人間力」というキーワードが上がっていました。

ベナーは、看護実践習熟度を「新人、初心者、一人前、中堅、達人」の5段階で示しています。

これは経験年数によって発達していきますが、必ずしもそれだけではありません。ベナーは、「実践技術が優れているからと言って、エキスパートではない、人格を磨くことや人間関係構築能力があってスキルが発達していく」と言っています。ワークショップでみなさんのお話を伺っていて、人間としての本質的な部分、人として尊敬できる、魅力的であるということの大切さを改めて考えることができ、私も「人間力」を高めていきたいと感じることができました。

 

さらに、今回はIVRナースのためのクリニカルラダー実践例を作成し新聞を発行させていただきました。

ぜひみなさまの現場でご活用いただき、ご意見ご感想を寄せていただければと考えております。

 

最後に、ご支援、ご協力いただきました皆様、サポートメンバーとしてご活躍いただいた皆様、

そしてご参加いただいた皆様に重ねて厚く御礼申し上げます。

 

では、来年またお会いしましょう。

17回IVR看護研究会当番世話人

東京大学医学部附属病院 中谷春美

第16回研究会報告

第16回IVR看護研究会終了のご挨拶

 

 第16回IVR看護研究会を無事終了することができました。参加して下さいました皆様方には、心から御礼申し上げます。

 今回は、沖縄での開催にもかかわらず、全国より70名の方々にご参加頂きました。東京での開催時に比べ、参加者は3分の1程度でしたが、地元沖縄の看護師の皆様に多く参加していただいたこと、また、研究会初の家族参加をOKにしたことなど、大変意義のある会となりました。この試みは、昨年度の研究会で家族に誇れる仕事、子供が大きくなったら「IVRの看護師になりたい」と言ってくれる世界にしたいという思いから、小さいうちに雰囲気を味わってもらえたらとの気持ちで試みましたが、今回は3組のご家族に来ていただけました。 

 今回のメインテーマは「IVR看護とイノベーション」としました。研究会全体を通して感じたイノベーションのキーワードは、①「変化している環境を認識する」、②「変化に対応する」、③「価値を作り出していく」の3つです。

 まず、①「変化している環境を認識する」ですが、私たちを取り巻く環境は常に変化をしています。ランチョンセミナーで取り上げた「TAE」は古くからありますが、塞栓物質や対応疾患が多様化しそれに伴い、私たちが準備するもの、観察ポイントなどが変わってきます。コーヒーブレイクミニレクチャーでとりあげられた、BLSのガイドラインも常に更新されるため、一度学ぶだけでなく、適時ブラッシュアップをしていく必要があります。医療の進化に合わせ、自分自身も進化させていく必要があると感じました。

 次に、②「変化に対応する」ですが、治療法のストラテジーが日々進化していくに応じて、IVR看護師の業務もそれに即した形で変化させていく必要があります。変化したことでどのような問題点が生じるのかを明らかにし、変化に即した方法を見出していく。そんな過程を今回一般演題での発表を通し感じました。

 最後に、③「価値を作り出していく」ですが、私たちの行っている看護は、本来はとても価値のあることだと思っています。しかし、価値が他の人達にはわかりづらい側面もあります。特別講演で岡田先生は、「価値がないところにイノベーションは起きない」そして、私たちの見えない価値を可視化し、他の人達にも価値をわかるようにしていくこと、また、新しい価値を作り上げていくことが重要だということを、強調しておられました。ワークショップでは価値を作り出していく際、「誰のためにおこなうのか」という視点を忘れないでほしいという願いを込めてプレゼンをさせていただきました。

 

 余談ですが、先日今通っている大学院の授業で、ビジョナリーリーダーシップの勉強をしている時、「リーダーシップの根幹なるビジョンの働き」として以下の3点を学びました。

①適切なビジョンは人々を魅了し、力を与える

②適切なビジョンは働く人々に人生の意義をもたらす

③適切なビジョンは現在と未来の架け橋となる(日々の仕事に押し流れることなく、ビジョンの実現のために現在やらねばならないことに焦点をあてる)

 

 IVR看護研究会は、参加した皆さんに元気をあたえ、IVR看護の意義を考える機会をつくり、IVRの未来を見据え、今やらなくてはいけないことに焦点を当てる会を目指しています。これからも皆さんが日々の仕事に押し流されることのないように、半歩先をいくリーダー的な研究会として、皆様方のお役に立てる情報を発信していく研究会でありたいと思っております。

第17回IVR看護研究会でも皆様にお会いできることを楽しみにしております。

 

第16回IVR看護研究会当番世話人

厚生中央病院 野口純子

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沖縄開催協力メンバーよりご挨拶

 初めての地方開催ということもあり緊張もありましたが、第16回IVR看護研究会が無事に開催出来た喜びを心より感謝致します。

 イノベーションとIVR看護というテーマでの研究会でしたが、岡田氏のセンセーショナルな基調講演にインスパイアされ、ワークショップでの「ICT時代のIVR看護」では、これからのIVR看護の可能性と本質について学びがありました。それは、IVR看護の価値や可能性は我々が作り出し、そこには責任が伴うこと。そして様々なICT技術を活用しその知識や技術を心を込めて患者様に提供し、患者様に寄り添った看護を実践していきたいです。それが患者様の回復や利益につながれば幸甚です。

 今回の沖縄開催にあたり、企画・運営して頂いたIVR看護研究会プロジェクトメンバー、沖縄協力メンバー、貴重な公演を頂いた岡田氏、ランチョンセミナーを講義頂いた高良先生、そしてスーパーバイザーとして貴重なご意見を頂いた森田先生、賛助企業の皆様、何より御参加頂いた全国のIVR看護師の皆様に心より感謝致します。

「にふぇーでーびたん(沖縄方言でありがとうございました)」

               沖縄県立中部病院 放射線科 伊波 稔

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第15回研究会報告

第15回IVR看護研究会終了のご挨拶

この度は第15回IVR看護研究会にご参加頂き誠にありがとうございました。

全国より約220名の方々にご参加頂き、盛会のうちに終えることができました。これも参加者の皆様のご協力あっての賜物です。本当にありがとうございました。

さて、この第15回IVR看護研究会はテーマを『IVR看護 明日への挑戦』とし、これまでの研究会で見出した大切なことを継承していくだけではなく、明日来る未来に向けて挑戦することが私達が進化し続けていく上で大切だと考え、いろいろな新しい取り組みをさせて頂きました。

前日セミナーでは、初めて臨床工学技士である村澤孝秀先生にお越し頂き、日常業務において身近なME機器について分かり易くご講演頂きました。なかなか聞きにくい初歩的なことも丁寧に教えて下さり「なるほど!」と思うことばかりでした。

本会では、IVR看護研究会を立ち上げた初代代表である飯田正子先生にお越し頂き、IVR看護にコミットメントすることをご講演頂きました。私達メンバーにとってはまさにレジェンドの飯田さん。懐かしい内容もあり、またこれから自分たちがIVR看護とどう向きあい何をするべきか考えることができる時間となりました。

ランチョンセミナーでは、去年に引き続きそうぢろう先生にお越し頂き、画像診断に関するご講演を頂きました。資料も素晴らしく、私が若かった頃にもこれがあれば血管を悩まなかったーと思わず言ってしまうほどで、参加した皆様にとっても日々のバイブルとなって役立っていることと思います。

また演題発表では、日々の業務に活かせる内容が盛りだくさんで、研究会ならではのよさもあったと感じました。参加した皆様の施設でもすぐに使える内容も多かったのではと思います。演題発表して下さった演者の皆様、本当にありがとうございました。

最後の目玉のワークショップでは、携帯を使用してつぶやいてもらいながらディスカッションを進めていくという、これまた新しい取り組みをさせて頂きました。皆様いかがだったでしょうか。また、それぞれのDreamもいかがだったでしょうか?自分達がIVRと向きあい変化していくことについて考えるきっかけ作りができたのではないかと思います。 

そして、最後に…

第15回開催記念として作成した『BASIC OF IR NURSING CARE』読んで頂けたでしょうか?

IVR看護に迷った時に道標となれば幸いです。

 

それではまた、第16回IVR看護研究会でお会いしましょう!

Never wait the future, let's make our future!!

                                                                                  

第15回IVR看護研究会当番世話人

                                                                                    国立がん研究センター中央病院

                                                                                                   浅井 望美

第14回研究会報告

この度は第14回IVR看護研究会にご参加いただきまして誠にありがとうございました。

全国から220名を超える参加者に恵まれ、また、多数の方々のご支援により、大盛況の中、本会を無事終了することができました。

ひとえに、参加者みなさまのご協力の賜物と御礼申し上げます。

 

今回のテーマは「IVR看護の実践と根拠」でした。私たちが普段何気なく行っている

看護実践に根拠を持ち、言語化していくことで、最良な看護を選択できることにつながると考えました。

 

教育講演ではR&D Nursingヘルスケア・マネジメント研究所の深澤優子先生から「看護実践に活かすものの見方」についてご講演いただき、自分を取り巻く環境をどう捉えるかについて「引き出しをたくさん持つ」、取り巻く環境の中で「自分のことをどう考えるか」そして、最後に「プロフェッショナルな看護師へ」を学びました。そして、看護につながる引き出しがあらゆる場所にあることを聞き、あらためて幅広い視点で本質をみつけ、根拠につなげていくことの必要性を感じることができました。

 

ランチョンセミナーは高知医療センターがんセンター長の森田荘二郎先生より、看護師が苦手とする画像の見方をとても面白く、わかりやすく、そして明日からの実践に役に立つ内容でした。ぜひ、シリーズ化して頂けることを切望します。また、演題発表ではIVR現場で活躍する皆様のとても興味深い取り組みを発表していただき、IVR看護の実践と根拠へとつながるとても充実した内容でした。

 

あらたな看護理論の展開にもなったワークショップでは、カテ室歴1ヵ月の丸谷看護師の悩みと、浅野先輩の根拠を示した看護実践を通し、根拠の導き方、症例を振り返ることの大切さ、また言語化へつなげていくことを学びました。そして、看護の始まりは何事も私たちの「気づき」からはじまることも知りました。

 

日々の業務を単なる経験で終わらせないために、共に「現象には必ず理由がある・・・」

との思いで切磋琢磨しながらIVR看護を掘り下げて参りましょう!

この企画、実に面白かっ・・・た

来年もみなさんにお会いできることを楽しみにしております。

丸山.jpg

当番世話人 東京大学医学部附属病院  丸山陽子

第13回研究会報告

この度は第13回IVR看護研究会「IVR看護師に必要なマネジメント」にご参加いただきまことにありがとうございました。全国から230名のご参加をいただき、盛況のうちに本会を無事終了することができました。皆さまのご尽力の賜ものと感謝致しております。

過去、本研究会ではIVRを取り巻くさまざまな関わりやチーム医療、専門性の向上などをめざしIVR看護師のあり方を追求してまいりました。

今回は、今まで培ってきたIVR看護の知識や経験をより効果的に、患者にとってよりよいIVRを受けられるような環境を作っていくための取り組みとして、マネジメントをテーマに進めてまいりました。

教育講演では、国立がん研究センター中央病院院長であり放射線診療科長でもある荒井保明先生に、「マネジメントのための視点」についてご講演いただき、3つの視点「明確な目的の認識」「不確実の中で最良の判断を行なうバランス感覚」「常に改善を目指す日々の努力」を教わりました。そして、それを進めていく最大のキーワードは「気持ちのよい人間関係」であるというお話を聞き、目指すべきマネジメントの本質を理解することができました。

また、ポスター・口演発表では、さまざまな取り組みを発表していただき、IVR看護のさらなる向上と、チームマネジメントについて多くのことを学ばせていただきました。

午後のワークショップでは、「IVR現場で活かせるマネジメント〜事件は現場でおきている〜」と題して、ビデオによる事例発表とコメンテーターを交えた会場とのディスカッションを行いました。森田先生をはじめとする素晴らしいコメンテーターに加え、会場の皆さんからの活発な意見を聞くことができ、まさに明日から実践できる内容が盛りだくさんでした。

日々私たちはさまざまな局面に遭遇し、どうすることが患者にとって一番よいことかを悩み実践していると思います。

荒井先生がおっしゃった「バランス感覚」を養うためにも、IVR看護師としてのマネジメント力を高め、今後も皆さんとともにIVR看護の向上を目指し頑張っていきましょう。

来年のIVR看護研究会で皆さんに再びお会いできることを楽しみにしております。

 

                   当番世話人 順天堂大学医学部附属練馬病院 宇野知子

当番世話人より御礼

この度は、第12回IVR看護研究会「発進しよう!IVR看護」にご参加いただきまして誠にありがとうございました。北は北海道、南は沖縄から、200名を超えるご参加をいただき、盛況のうちに幕を閉じることができました。これもひとえに、皆様のご協力の賜物と感謝しております。

IVR看護の現場にいるナースのさまざまな思いや豊かな経験は、IVR看護領域の財産です。この貴重な財産を、帰納法で臨床の知として概念化し、他の看護、医療の領域や一般社会に発信していくための方法を、陣田泰子先生の教育講演「看護現場学〜経験の概念化・その方法と成果〜」から学びました。短時間でしたが、過去の忘れられない場面を通して「無意識」から「意識化」していくワークは、自分の思いやこだわりが可視化できるものに変わっていく感動的な体験でした。

「CVポート造設における継続看護への取り組み」と「胆管ステントを挿入する患者の看護」のランチョンセミナーは、実践的な内容でした。是非、お役立てください。

9題の演題は、どれも、自分達の看護を見直すきっかけや、新たな知見を得る機会となる内容でした。コメディカルの発表もあり、チーム医療の大切さとともに、チーム仲間のありがたさを実感しました。

「IVR看護の発信」としたシンポジウムでは6名のシンポジストを迎え、各々大切にしている看護やこだわり、東日本大震災の体験について語っていただき、IVR看護の現場にいるナースひとりひとりが、各々の立場で発信できること、着実に発信していくことの大切さが示唆されました。

皆様、今日から何かひとつでも発信しましょう。そして、来年のIVR看護研究会でその成果を報告し合えることを、楽しみにしております。

当番世話人 三井記念病院 本間美智子


第11回IVR看護研究会のテーマは「Advanced IR Nursing」でした。 これまでの10回の研究会では放射線科看護やIVR看護に関して、自分たちが身近に感じている疑問や学びたいと思うことを一つひとつテーマにあげ、明日からすぐにでも実践に生かしていけるような知識や技術を学び、看護の基本となるものを築き上げてきました。一昨年は「IVRにおけるチーム医療」について、昨年は「これからのIVR看護」というテーマでIVR看護の展望についてご講演をいただき、今後のIVR看護を発展、確立させていくには発想の転換によるあらたな挑戦が必要であるというフラグをいただき、感銘を受けました。今年は、その展望を受け、自分たちの力でIVR看護を進歩、進化させていこうという意志を表すテーマとなりました。

日本IVR学会認定IVR看護師も発足して3年目となり、全国の各施設で活動が開始されています。今年度、教育講演ではがん看護の専門看護師の方にご講演をいただきます。分野こそ違いますが、専門看護師としてどのように役割を確立し開発してこられたのか、例えば、実際どのように同僚ナースや医師、コメディカル、病棟看護師、上司などにコミットし活動をされてこられたのかなど具体的な活動を講演していただき、自分たちに置き換え、これからの私たちの活動に示唆を得ることができる内容となったと思います。

そして今年は、昨年基調講演をしていただいた国立がん研究センター中央病院、放射線診断科科長の荒井保明先生に大変なご尽力をいただき、シンガポール、タイ、韓国、中国のアジア諸国で実際にIVRに携わっているIR看護師(海外ではIR看護師と呼びます)に来日していただくことができ、日本を含めアジア各国でのIVR看護についての現状を語っていただく機会を持つことができました。司会は荒井先生、そして、岩手医科大学病院放射線科講師の曽根美雪先生にお願いすることができました。直接、アジアのIVRについて話しを聞けるチャンスはなかなかありません。各国でのIR看護師の活動や役割を知り、明日からのご自分の力に変えていただけると嬉しく思います。この度は、盛況を持ちまして本会を無事終了致しました。皆さまのご尽力の賜物と感謝致しております。ありがとうございました

 

聖路加国際病院 放射線科ナースマネージャー 中島佳子

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IVR看護研究会は、安全安楽かつ効果的に患者がIVRを受けられるようにIVR看護のあり方を検討する場です。本会はIVRにおける看護の臨床実践能力を高めるため専門知識や技術の習得、研鑽をめざし、チーム医療における看護師の役割を追求し、また、IVR看護師の専門性を確立するため、継続して学習する場、人的交流の場を提供することを目的としています。